【2026年夏版】TSMC効果に転機:熊本県内の台湾人居住者数が減少。それでも買うべきエリアは?

熊本熊猫、TSMC、熊本、不動産

株式会社熊本ぱんだ不動産 代表取締役の村上 功時です。

2021年10月、TSMCが熊本県菊陽町での第1工場建設を正式発表して以来、熊本県内では台湾人を中心とした外国人(在留外国人※)の人口が増加しています。

※「在留外国人数」とは、出入国在留管理庁の統計上の中長期在留者および特別永住者の合計です。観光などの短期滞在者は含みません。

法務省・出入国在留管理庁の「在留外国人統計」を基に、TSMC熊本工場を中心とする半導体産業集積地「周辺市町」の在留外国人の人口推移をまとめました。数字は2025年12月末(2026年7月10日公表)のものです。 出所:在留外国人統計

台湾人を中心とした外国人の人口推移が及ぼす不動産市場への影響を、最新統計と現場感を交えながら分かりやすく解説します。熊本の不動産売買は、「熊本ぱんだ不動産」にお気軽にお問い合わせください

担当:村上 功時 会社案内問い合わせGoogleマップ 

目次

熊本県:進出決定後の4年間で台湾人は+1,799人。ただし2025年6月のピーク(2,108人)以降は減少に転じ、今後も緩やかに減少する可能性あり。

熊本県:国、地域別の在留外国人推移
在留外国人統計

人口約173万人の熊本県全体では、2021年10月のTSMC進出発表を契機として、2021年12月からの4年間で、台湾人は183人から1,982人に増加(+1,799人)。しかし、2025年6月末の2,108人をピークに同年12月末には1,982人と半年間で126人減少しました。TSMC熊本第1工場立ち上げ後の稼働が安定(2026年1月以降は熊本法人JASMは営業黒字化との報道あり)したことから、第一陣として台湾TSMCから熊本に駐在していた台湾人社員の帰任が始まった模様です(※)。なお、2025年12月の県内在留外国人数は32,372人です。

※「在留外国人統計」上の「在留資格」欄の「台湾人の企業内転勤」(熊本法人への駐在員と予想される)の人数が減少しています。

TSMC熊本第2工場での量産開始が予定されている2028年に向けて、台湾人駐在員とその家族が新たに約1,000名増加すると当社は推計しています(第1工場実績や報道に基づく当社推計)。それまでの間は、駐在員およびその家族が台湾へ帰任することにより、熊本県内の台湾人居住者数は緩やかに減少する可能性があります。

熊本市:進出決定後の4年間で、台湾人は766人増加。一方、2025年6月以降、台湾人の人口は減少に転じている。

熊本市:国・地域別の在留外国人推移
熊本市の在留外国人推移

熊本市(人口約73万人)の台湾人は、2021年12月からの4年間で、99人から865人に増加(+766人)しています。台湾人の6割以上が単身世帯(※)と推計されます。台湾人の居住地区別では、熊本市が集合住宅を一斉手配した「北区」が2024年6月は328人と中央区に次ぐ規模でしたが、2025年12月は227人と101人減少しています。台湾人駐在員から居住地として人気の高い「中央区」および「東区」も、2025年6月以降の半年間で台湾人居住者数がそれぞれ▲44人、▲22人と約1割減少しています。
※単身世帯割合は、在留資格別・年齢別統計、当社への住宅相談および関係事業者への聞き取りを基にした当社推計です。公的な世帯統計ではありません。


台湾から熊本に着任した際に北区の賃貸住宅(社宅)に住んでいた台湾人ファミリー世帯、および家族を呼び寄せる予定の単身赴任者が、「中央区」の分譲マンション、ならびに「東区」の新築/築浅戸建を購入する動きが2025年6月頃までは活発でしたが、その後の購入需要は減少している模様です。「熊本市中央区」と「東区」の好立地不動産の価格は未だに上昇傾向にあるものの、実際の売買成約件数は減少している可能性が高い状況です。尚、2025年12月の熊本市内在留外国人数は11,631人です。

菊陽町:進出決定後の4年間で、台湾人は464人増加。一方、2025年6月以降、台湾人の人口は減少に転じている。

菊陽町:国、地域別の在留外国人推移

TSMC第1工場が立地する菊陽町(人口約4.4万人)の台湾人は、2021年12月からの4年間で、15人から479人に増加(+464人)しています。台湾人の7割以上が単身世帯(※)と推計されます。一方、2025年6月末から同年12月末にかけて、台湾人は16人の減少に転じました。2025年12月の菊陽町内在留外国人数は1,160人です。
※単身世帯割合は、在留資格別・年齢別統計、当社への住宅相談および関係事業者への聞き取りを基にした当社推計です。公的な世帯統計ではありません。

大津町:台湾人は284人になるも単身者中心

大津町:国、地域別の在留外国人推移
国、地域別の在留外国人推移

菊陽町の東に隣接する大津町(人口約3.6万人)の台湾人は、2021年12月からの4年間で、6人から284人への増加(+278人)にとどまっています。また、台湾人の9割以上が単身世帯(※)と推計されます。2025年12月の大津町内在留外国人数は1,249人です。
※単身世帯割合は、在留資格別・年齢別統計、当社への住宅相談および関係事業者への聞き取りを基にした当社推計です。公的な世帯統計ではありません。

熊本ぱんだ不動産は、従来より一貫して大津町の投資用居住不動産の取得は推奨していません。詳細な物件選別基準等は個別に説明しますので、お問い合わせください。
なお、熊本ぱんだ不動産は大津町に「熊本熊猫基地セミコンハブ」(旅館業法の「簡易宿所」、7名までの1棟貸切宿、TSMC熊本工場まで車で約5分)を2026年3月に開業しました。2026年7月の月間宿泊稼働率は94%(※)に達しており、TSMC熊本工場関連の出張および観光インバウンド(阿蘇くまもと空港、阿蘇山、熊本の名門ゴルフコースに近い)による大津町の宿泊需要は強いと判断しています。「居住用賃貸の需要は弱い一方、出張・観光による短期宿泊需要は極めて強い状況が今後も継続する」、これが熊本ぱんだ不動産から見た大津町の実情です。
※販売対象日数に対する予約済み日数。キャンセル等により最終実績は変動する可能性があります。

合志市:台湾人ファミリー世帯に住宅購入の動きあり

合志市:国、地域別の在留外国人推移
国、地域別の在留外国人推移

菊陽町の西に隣接する合志市(人口約6.4万人)の台湾人は、2021年12月からの4年間で、10人から232人への増加(+222人)にとどまっています。台湾人の約5割が単身世帯(※)と推計されファミリー世帯が新築住宅を購入する動きがあります。2025年12月の合志市内在留外国人数は836人です。
※単身世帯割合は、在留資格別・年齢別統計、当社への住宅相談および関係事業者への聞き取りを基にした当社推計です。公的な世帯統計ではありません。

菊池市:台湾人居住者の増加は限定的

菊池市:国、地域別の在留外国人推移
国、地域別の在留外国人推移

菊陽町の北に隣接する菊池市(人口約4.5万人)の台湾人は、2021年12月からの4年間で、2人から31人への増加(+29人)にとどまっています。菊池市および熊本県は、TSMC熊本工場に近い「旭志」および「泗水」で再開発を検討していますが、具体的な進捗は見られず、当面は台湾人の居住者数は横ばいが続くものと予想されます。2025年12月の菊池市内在留外国人数は1,622人です。

不動産の有望エリアは?

熊本県不動産の有望エリアは?

熊本ぱんだ不動産は、TSMC進出による不動産価値向上が見込まれる住居エリアは、熊本市(「中央区」・「東区」・「西区のJR熊本駅周辺」、「北区のJR武蔵塚駅周辺」)、および菊陽町と考えます。
外国人を受け入れることができる教育施設と各種インフラが既に整備されている熊本市の上述エリアの不動産価格は、今後も堅調に推移すると予想します。
TSMC進出による税収増で不交付団体となった「菊陽町」も三井不動産等と協業して原水駅周辺の開発ビジョン策定を進めており、積極的に街づくりを行う方針です。菊陽町周辺エリアで戸建/マンションや投資用アパートの「購入」を考えている方は、早めの取り組みを推奨します(注記:価格動向は保証されるものではありません)。
お気軽に熊本ぱんだ不動産へお問い合わせください問い合わせGoogleマップ 

一方、「合志市」および「大津町」の住居(アパート含む)については、前記のとおり台湾人や半導体関連人材の居住は当初想定されたほどは進んでおらず、メディア報道されているような価格上昇は望めないとの当社判断です。実際のところ、当社が2025年夏以降に確認した新築アパート・建売住宅の募集状況や不動産事業者への聞き取りでは、販売・入居に時間を要する事例が増えています。大津町では既に不動産価格下落の兆候が見られるという声もあります。ただし、大津町全域の市場動向を示す公的な空室率統計ではありません。
現在基礎工事中のTSMC熊本第2工場の建屋工事が進むまでの間、当面は弱含みの不動産市況が継続する可能性が高いと当社は予想します。

尚、半導体関連企業等の工場・物流倉庫立地については、菊陽町、大津町杉水エリア(菊陽町寄りの西側)菊池市旭志・泗水エリアは大変有望です。既存の国道325号線、今後整備される「中九州横断道路」、「セミコンテクノパーク」には要注目です。熊本ぱんだ不動産は「大津町杉水」の新築戸建てを2025年末に購入のうえ「熊本熊猫基地セミコンハブ」(1棟貸切宿)を運営しており、周辺の各種マーケット情報や工事進捗の情報収集に努めています。

合志市は市街化調整区域が広く、民間事業者が単独で新たな工業用地や住宅地を開発する場合には、開発許可やインフラ整備上の大きな制約があります。一方、合志市竹迫(たかば)地区では、熊本県・合志市・三井不動産との間で事業推進パートナー基本協定が締結され、熊本県が推進する「分散型サイエンスパーク」の中核拠点となる「イノベーション創発エリア」約31haの開発が行われることが発表されています。このように、合志市では行政主導による整備が行われる見込みです。

今回は、台湾人の居住者数に基づいた熊本の不動産市況について書きましたが、熊本ぱんだ不動産は熊本市中央区、大津町、熊本市東区で一棟貸切宿(「熊本熊猫基地」(くまもとぱんだきち)を運営しています。当社運営施設の宿泊者の約6割は台湾からの観光や出張ゲストであり、当社は居住需要だけでなく、短期滞在需要も含めて各エリアの不動産市況を分析しているところです。

「熊本熊猫基地 新町」(熊本市中央区新町):AirbnbBooking.comGoogleマップ

熊本熊猫基地セミコンハブ」(大津町杉水):Airbnb Booking.comGoogleマップ 

「熊本熊猫基地 健軍」(熊本市東区健軍):Airbnb Booking.comGoogleマップ 

熊本の注目エリアの売買仲介物件は、アットホームの弊社掲載物件以下リンク)をご覧ください。
お問い合わせをお待ちしています。不動産仲介会社様からのご連絡も大歓迎です(「分かれ」にて対応)。

熊本の不動産売買は、熊本ぱんだ不動産にお気軽にお問い合わせください

株式会社熊本ぱんだ不動産 代表取締役 村上 功時 会社案内 問い合わせ Googleマップ 

熊本ぱんだ不動産が仲介する売買対象不動産(記事エリア)

    菊陽町JR三里木駅徒歩1分の事業所(簡易宿所へ転用可)

    菊陽町JR三里木駅徒歩9分の新築建売住宅1

    菊陽町JR三里木駅徒歩9分の新築建売住宅2

    菊池市泗水町の事業用地

    熊本市北区楠7丁目の邸宅(194坪の整形地に建つ邸宅、JR武蔵塚駅徒歩12分)

    筆者紹介

    株式会社熊本ぱんだ不動産 代表取締役 村上 功時(むらかみ こうじ):宅地建物取引士  経 歴 


    熊本市出身、済々黌高等学校卒。米国テキサス州の大学への1年間の交換留学を経て、熊本大学を卒業後、熊本県庁に入庁。税務部門にて不動産取得税の課税業務および家屋評価を5年間担当。その後、三菱UFJリース株式会社(現・三菱HCキャピタル株式会社)で海外ストラクチャードファイナンス業務に携わり、上海現地法人では駐在員としてゼロからローカル事業者向け建設機械リース事業を立ち上げ、事業統括。

    2015年から熊本の公立高校で英語教諭として勤務した後に2016年に株式会社肥後銀行へ入行し、海外事業や役員秘書を担当。2024年に創業した株式会社熊本ぱんだ不動産にて、熊本市、菊陽町、大津町を中心に不動産売買仲介を行っている。併せて2012年から現在に至るまで個人大家として賃貸経営。

    2025年8月から一棟貸切宿「熊本熊猫基地」の運営を開始し(※)、現在は熊本市および大津町で3軒を経営。中国・上海での4年半の駐在経験と、不動産売買仲介・金融・宿泊事業・大家業・課税業務の実務経験を生かし、TSMC進出によって大きく変化する熊本の不動産市場を継続的に分析している。

    ※宿泊事業では「Airbnbスーパーホスト」として、Airbnbのゲスト評価「5点満点を開業以来95件連続で獲得中」。2025年8月開業の「熊本熊猫基地 新町」は、Airbnbの「上位1%に属する宿泊先」に認定(2026年7月19日時点)。


    よかったらシェアしてください!
    • URLをコピーしました!
    目次